日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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Photo. 1 Development of mangrove wetlands in Dong Rui Village, Quang Ninh Province, Northern Vietnam. (Photo taken by Satoshi Kameyama on 24 Nov. 2015) 池は何十年といった長い時間スケールで使い続けることは不可能に近い14)15)16)17)。これらの社会的課題を受け,我々は既に放棄されているエビ池やその周辺の干潟(もともとのマングローブ湿地)をより効率的にマングローブ湿地に復元する為に,衛星画像解析とGISを利用している。 マングローブ湿地の成立制限要因は,地形と潮位変動に支配されている冠水状況である18)19)。一般に,マングローブの生息域は,その生息場所の年間平均潮位レベルから年間平均満潮位レベルの範囲に限定されている。マングローブとは,海水に長く浸かれば溺れるし,乾き過ぎれば干からびてしまう植物なのである20)。しかし現在,ベトナムのみならず東南アジア各国の沿岸域は,経済発展に伴い急速な人為改変が進んでおり,潜在的なマングローブ湿地の空間範囲を正確に把握することは非常に困難である21)22)23)。 研究対象地は,ベトナム北部の主にクアンニン省を中心とする沿岸域である。本省は北東部に沿岸部を持つベトナムでは比較的大きな省(面積;6110.8km2,人口;約114万4400人,人口密度;187人/km2(2009年データ))である。地理的には北緯20度40分から北緯21度40分であり,中国と国境を接する海に面したベトナム最北の省である。北部に位置するが故に季節性が強く,また年平均気温はベトナムでは比較的低く平均気温は22.9℃である。主に7月から8月は雨期にあたり,年間降水量は概ね1700-2400mmである。 1132. 研研究究対対象象地地とと生生息息ししてていいるる代代表表的的ななママンンググロローーブブ

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