日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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広大なマングローブ湿地の横断面を考えた場合,マングローブは標高の低い海側,つまり年間冠水時間の長い場所から,標高の高い陸側へと種の適応能力に応じて棲み分けが行われている23)。一般的にベトナムの北部沿岸域では,低地からヒルギダマシ(Avicennia marina)・ヤエヤマヒルギ(Rhizophora stylosa)・オヒルギ(Bruguiera gymnorhiza)が分布しており,メヒルギ(Kandelia obovata)という種がヤエヤマヒルギとオヒルギの分布域にやや重複して広がっている。最も陸域側にはホウガンヒルギ(Xylocarpus granatum)等が生息している。 本研究では,ベトナム沿岸域がエビ養殖池に改変される以前の,1973年のランドサットMSS画像(Landsat_1号, 1973年12月29日撮像, Path 135, Row 045)をUSGS(United States Geological Survey) ランドサットデータダウンロードサービス25)より入手し,土地利用分類を行った。更に,その結果を当時の地図と現地踏査によって検証して精度を高め,当時の潜在的なマングローブ分布地図を作製した。画像解析を行った範囲は,ベトナムクアンニン省や中国福建省南部が含まれるランドサットMSSのフルシーン(185Km×185Km)であり,空間解像度は80mである。マングローブ湿地のグランドトゥルースサイトはこの解析範囲の中心に位置するドンズイ村(Dong Rui Village)とし,Fig.1 Image processing procedure to detect original mangrove area. 1143. 原原生生的的ななママンンググロローーブブ分分布布域域のの抽抽出出

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