日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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上記の画像処理の結果,ベトナム北部沿岸域の1973年当時の原生的なマングローブ分布図が完成した(Fig.2)。またFig.3はその中心部に位置するドンズイ村の拡大図であり,エビ養殖池と過去のマングローブ植林履歴を記載してある。 ーに対して,1965年当時の土地利用マップ(ソビエト連邦製1/50,000縮尺)のマングローブの範囲を参照し,大まかなマングローブの分布域を把握した。その後2012-2014年に現地ドンズイ村での踏査調査を行い,最終的に画像解析から抽出された大まかなマングローブの範囲に対して,最終的に二つのレベル(高木の密なマングローブ湿地・低木の疎なマングローブ湿地)に再分類した。低木で疎な(密度の低い)マングローブ林とそれ以外(特に砂浜)との境界の決定には,実際に現地でマングローブ林の外周を歩いて記録したハンディGPSデータを参考にした。 画像中の緑に色付けしている部分が当時のマングローブ湿地であり,ベトナム北部沿岸域に沿ってほぼ全域に分布していたことが分かる。特に分布範囲の広い広大なマングローブ域は,北からモンカイ(Mong Cai)・ダムハ(Dam Ha)・ドンズイ(Dong Rui)・ハロン(Ha Long)・ウオンビ(Uong Bi)であった。緑の濃い部分は,マングローブが比較的高密度の状態で生育していたであろうと考えられる範囲である。植生としてはオヒルギやヤエFig.3 Close-up view of Dong Rui Village in the mangrove distribution map of 1973. Records of plantations established in 2000 and later are shown. 116

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