日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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既存の研究では,泥炭地での地下水位低下に従って,泥炭地表面の地盤沈下を起こすことが報告されている [2][3] .これはスポンジのような泥炭層の保持水分が少なくなることに伴い,その層の厚みを失っていくことが原因である.地下水位の広域的な観測は困難であるが,泥炭地盤変動モニタリングは合成開口レーダを用いた差分干渉解析(DInSAR)により可能である.先行研究では,ALOS-2データのDInSAR解析結果と地下水位(GWL)および地表面標高値(GSL)を比較し,DInSARによる中部カリマンタンの泥炭地盤の変動とGWL/GSLデータ変動との相関関係を示した.GSLデータとDInSARデータ(ALOS-2データSM2モード)の誤差は±2.2cm程度で,泥炭地盤の変動の観測ツールとして有効であった[4]. 本報では,火災ハザードマップとしての利用目的で地下水位低下領域抽出のため,合成開口レーダを用いて泥炭地盤の変動観測マップ作成を試みた.本解析ではALOS-2の 図1 Sentinel-2のフォルスカラー画像 121

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