日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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な正六角形は,蛇行河川の平面形状を近似するとともに,河道の屈曲や流れの方向を考慮した分析を行うための工夫です.右図はイトウの産卵場の分布を予測するうえで重要な「淵」の存在確率を,正六角形毎に推定した結果です.「淵」の存在確率を推定する際は,リモートセンシング画像から把握できる水面の色を手掛かりとするだけでなく,河道の屈曲状況や倒流木の存在など,河川地形学的要因を説明変数とした一般化加法モデルによる予測結果も考慮しました 2-3). 人里離れた源流域の小河川では,人知れず好ましい生息環境が失われ,そこに棲む生物がいつのまにか姿を消してしまう恐れがあります.近年では,無人航空機システム(Unmanned Aerial System;UAS)を応用することにより,踏査困難な場所であっても,生息場を攪乱することなく低空から詳細に観測することが可能です.人目に触れることの少ない源流域小河川の環境とそこに棲む生物を保全するためには,フィールドワークとリモートセンシングを組み合わせた定期的な監視によって,環境変化やその予兆をいちはやく察知することが重要と言えます. ■ 参考文献 1) Fukushima M. Salmonid habitat - geomorphology relationship in low-gradient streams. ンシング学会 第46回学術講演会,東京,2009. 研フォーラム 「宇宙からの地球環境モニタリング」,東京,2011. 149Ecology, 82(5),pp.1238-1246, 2001. 2) 島﨑彦人,福島路生.事前確率を考慮した瀬淵分布推定手法の検討.日本リモートセ3) 島﨑彦人, 福島路生.空撮画像を用いた河川の瀬淵分布推定手法の検討.第20回生

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