日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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AN0 近年、各地の湖沼では、周辺環境の都市化に伴う富栄養化や湖底の貧酸素化等が問題となっており、各地でその対策が求められています。図1に示す宍道湖・中海(島根県・鳥取県)も、古くからシジミやアサリなど、生物資源の宝庫として知られていますが、図1 宍道湖の位置と低高度プラットフォーム観測の概念 作野 裕司(広島大学) 最近アオコや水生植物の大量発生が問題となっています。そのため、このような豊かな自然を保全するため,様々なアプローチによるモニタリングが試みられています。リモートセンシングも期待されている手法の1つで、1995年から現在まで、衛星、航空機、気球、UAVなどのマルチプラットフォームを使った、同水域の環境モニタリング手法開発が行われています。図2は、作野ほか1)が衛星SPOTを使って、宍道湖のアオコ発生時のクロロフィルa濃度分布の推定図です。宍道湖北岸の赤い部分がアオコが高濃度に集積した箇所であることが現地調査からわかっています。また、図3はUAV(無人機)が撮影した宍道湖南岸で突発的に発生した水草(オオササエビモやシオグサ)の分布画像です。この画像から水草の拡大の様子が観察することができます。このように,ここ数年では、衛星では判断できない湖岸の水生植物繁茂分布を低高度からUAV(無人機)で高解像度に撮影する最新技術もとり入れられています2)。図4は、宍道湖のアオコ発生時に超高解像度の衛星QuickBirdから撮影されたアオコ画像(水域部に見られ4km宍道湖松江市日本海中海三保湾米子市米子湾GoogleEarth へGoogleEarth へ 150宍道湖の水質はどうなっているのか? マルチプラットフォームから見た汽水湖沼の環境

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