日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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154 図1:SatLARTD-Jに登録されている湖沼の位置(Googleマップ上に表示) 広く点在し,管理者も多様であるため,接触型温度計を分散配置してのモニタリングは現実的ではありません。こうした背景の下,本研究室では衛星センサASTERの熱赤外(TIR)画像(2000年3月~)を用いて,日本の1,000以上の湖沼(自然湖沼,ダム湖,溜池等)を対象とする衛星湖沼水温データベース日本編(Satellite-based Lake and Reservoir Temperature Database in Japan; SatLARTD-J)を構築し,2012年7月よりWeb公開しています(http://tonolab.cis.ibaraki.ac.jp/SatLARTD/)7)-9)。図1は本データベース(DB)に登録されている湖沼の位置を示します。本DBでは,空間分解能90mのASTER/TIR画像から水温を推定するため,水面のみの画素(水のピュアピクセル)が確実に存在する270m四方以上のサイズを持つ水域を対象としています。ASTER水温の推定精度は条件にも依りますが,平均的に1℃程度です8)。図2は霞ヶ浦及び千波湖(水戸市)における水面温度画像の例で,×印が本DBの登録地点です(注:霞ヶ浦のみ,例外的に2地点を登録)。ただし,ASTERによる各湖沼の観測頻度は平均して2ヶ月に1回程度で,これに晴天率を考慮すると,一つの水域で水温が得られるのは平均的には年2~3回程度であり,観測頻度が高い水域(霞ヶ浦等)でも年7~8回程度に限られます。そ

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