日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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告, No. 4, pp. 11-66, 2002. 156 図4:左のグラフは2015~2019年の各7月における霞ヶ浦(湖心)の回帰水温(それぞれ左から7月1,6,11,16,21,26日の6データ),右のグラフは各年の7月において回帰水温が25℃以上のデータ数とフィコシアニン濃度(茨城県霞ヶ浦環境科学センター調べ10))の8月平均(μg/L)の関係。 のグラフは2015~2019年の各7月における霞ヶ浦(湖心)の回帰水温(それぞれ左から7月1,6,11,16,21,26日の6データ)を示しており,右のグラフは各年の7月において回帰水温が25℃以上のデータ数とフィコシアニン濃度(茨城県霞ケ浦環境科学センター調べ10))の8月平均の関係を示しています。フィコシアニンはアオコの原因となる藍藻類が持つ色素で,アオコ量の指標として使われています10)。国土交通省 関東地方整備局 霞ヶ浦河川事務所による2011年の霞ヶ浦でのアオコ大量発生要因の分析11)では,7月頃に水温がアオコ増殖に適した25℃ に達し,例年より高温だったことが要因の一つとして挙げられていますが,図4の結果はこれを裏付けるものとなっています。 なお,本DBの問題点として,DBが提供する水温が衛星観測の原理上,水の表面での値であること,また頻度や観測時刻が限定的であることなどが挙げられますが,国交省の水文水質データベース12)に代表される現地観測に基づく水温データを補完するものとして活用することは十分に可能であると考えています。 ■ 参考文献 1. 西條八束, 三田村緒佐武: 新編 湖沼調査法, 講談社, 1995. 2. 茨城県霞ケ浦環境科学センター: 茨城県霞ケ浦環境科学センター年報, 第8号, 2012. 3. 土田修二: 沿岸性魚類の温度選好に関する実験的研究, 海洋生物環境研究所研究報引書(案), 2002. 4. 水生生物保全水質検討会: 「水生生物の保全に係る水質目標について」報告, 環境省, 2002. 5. 国土交通省 都市・地域整備局 下水道部: 生態系にやさしい下水道の促進に向けた手

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