日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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t r α 図3 敦賀半島沖の衛星画像 (WorldView-2, 2012/08/31)と解析対象領域(ROI)。 図4 図3のROI内の画素に対する散布図(Band 1とBand 2の2次元の場合)と、スペクトル角α の例。 ROI 177とになります。 具体的には、Spectrum Angle Mapper (SAM) という画素のスペクトルを分類するためのツールを用いて、対象海域の平均スペクトルから大きく異なっている画素を、海ゴミを含む画素の候補として抽出する手法を開発しました。図3、4に一例を示しますが、n(衛星のバンド数)次元空間での散布図(図4)上で、対象領域(図3のROI)の平均スペクトルを表すベクトルtとROI(関心領域)内の任意の画素のスペクトルを表すベクトルrとのなす角をスペクトル角αとし、αが大きい画素を海ゴミの候補として抽出します。抽出結果を図5 (a)、 (b)、 (c)に示しますが、αが大きくなるにしたがって抽出される海ゴミ候補の画素は少なくなり、図5 (c)に示される画素には比較的大きな異物(海ゴミ)が含まれると考えられます。 次に、この手法を用いることにより真に海ゴミを抽出しているかどうかを確認するため、定置網を支えるために周囲に設置されているブイ(大きさ2~3m)を対象にこの手法の有効性を検証しました(図6参照;WorldView-3(2014/10/19)、8バンド)。つまり、このブイの大きさならば1.6m程度の解像度の衛星画像で確認可能であるので、その存在を確認した後(図6上図)、衛星画像の解像度を意図的に4mに落とした画像を作成し、その画像にSAMを適用し、True Color 画像 では確認できないブイを抽出できるかを調べました。その結果、図6下図に示すように、4m解像度のTrue Color 画像(a)では確認できなかったブイを、SAMを

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