日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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((aa)) ((bb)) ((cc)) ((dd)) WWaakkaassaa BBaayy 179ゴミ(外国が発生源の海ゴミも多い)の影響を確認することができました。一例を図7に示しますが、丹後半島沖(a)の6つの対象海域での海ゴミの候補画素数は、(c)のオレンジ色のグラフから分かるように海岸に近い程多いことを示しています。この解釈として、(a)の海域((d)のオレンジ色の丸印)から西へ15km程の所に円山川という大きな川の河口((d)の赤色の丸印)があり、そこからの流出ゴミを抽出していると考えられます。一方、敦賀半島沖(b)に対しては海岸から離れるほど海ゴミが多くなる傾向を示しています((c)の緑色のグラフ)。これは、敦賀半島((d)の緑色の丸印)が若狭湾の奥深くに位置しており、対馬海流が近くにまで流れ込みにくいことを示していると考えられます。 私達が最終的に目指すものは、今まで述べてきた手法を用いて日本海で海ゴミ(漂流ゴミ)が集積している海域を見つけ、その海域に海ゴミ回収装置(例えば参考文献[4])を設置し、海上で海ゴミの回収を行うことです。そして、このような計画が実現し、漂流・漂着ゴミが減少することにより海洋および沿岸域の環境が改善すること、さらにその結果として海洋生態系の保全に繋がることを期待しています。 図7 (a):丹後半島沖の衛星画像(QuickBird-2, 2013/10/7)と6つのROI領域 (赤、緑、青、黄、水色、紫で表示)。(b):敦賀半島沖の衛星画像 (WorldView-2, 2012/08/31)と6つのROI領域。(c) 抽出された海ゴミ候補の画素数( 丹後半島(オレンジ色)に対してはα > 0.03 rad、敦賀半島(緑色)に対しては α > 0.07 radの場合の画素数)。 (d) 丹後半島沖、敦賀半島沖の衛星画像の位置と円山川の河口の位置がそれぞれオレンジ、緑と赤色の円で示されている。海域の矢印と色は海流の向きと流速を表している(気象庁のHP[5]より)。 ■ 参考文献 1. 公益財団法人 環日本海環境協力センター NPEC, http://www.npec.or.jp/support/marine_edu/marine_edu04.html (2018.11.29) 2. 一般社団法人 JEAN, http://www.jean.jp/m-litter/ (2018.11.29)

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