日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
198/222

図2bは中部のメグナ川河口氾濫原(AEZ 18: Young Meghna Estuarine Floodplain)の代表的なエリア(図1B)の土地利用変化をみたものです。この区域は全沿岸地帯の約18%を占め,非常に低い自然堤防とそれに囲まれた後背低地は,水路が頻繁に位置を変えるごとに浸食され,有機物とシルト粘土・ローム土壌の氾濫堆積物が新たに堆積されます。エリアBでは,1989年には約26%であった単作農地が2010年までに約45%と大幅に増加し,二毛作農地も約17%から27%まで増加しました。それに対して,干潟地は約20%から約2%まで減少しています。この間,単作農地→二毛作農地,干潟地→単作農地の顕著な土地利用転換が進み,居住地の8%から12%への増加と連動しています。また,河川域から単作農地へ,水域から河川域へといったダイナミックな土地利用転換も起きています。 図2cは東部のチッタゴン沿岸平野(AEZ23: Chittagong Coastal Plain)の代表的なエリア(図1C)の土地利用変化を見たものです。この区域は全沿岸地帯の約6%を占め,緩やかな傾斜のある狭い沖積平野が沿岸に分布しています。エリアCでは,1989年には約39%あった単作地が2010には約10%まで大幅に減少する一方,塩田/エビ養殖池は約14%から45%まで増加していました。 図3 沿岸地帯の土地利用事例 a) マングローブ林と河岸,b) エビ養殖池になった水田,c) 水田にもどされたが壊滅状態の稲,d) 水田の脇にポンドを掘って雨期に水を貯め,その淡水を次回の稲作に使用する農民の試みを準備中とのことでした。公的な技術指導も資金援助もないとのこと。 192

元のページ  ../index.html#198

このブックを見る