日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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17図1 京都府南部の京田辺・山城地区の竹林(2017年8月14日撮影) いが,空間分解能が10mであり,Landsatより小規模な竹林を検出するのには適している。 図3の黒い曲線は2001年の第6次植生調査3)であり,曲線の外部にも竹林(赤色)が拡大していることが見られた。図3の領域は6.8km×7.3kmであり,その中で竹林として認識された領域は543haで,この領域の11%であった。図3において竹林として誤認されるものとして,この地区に広く分布する茶畑があった。また,アカマツ林,常緑広葉樹林を竹林と誤認している場合があった。そして,空間分解能が10mであっても,小規模の竹林をその他の被覆物と誤認する場合もあった。 図4に解析結果を示す。赤色が竹林であり,黄色が市街地と裸地である。図3では分けていなかった水田(水色)と市街地・裸地を分離した。また,植生域を針葉樹林(濃い緑色),草地(茶色)と落葉広葉樹を含むその他の植生域(緑色)に分離した。これらの7項目で分類を行った結果は,おおむね良好な結果(Kappa係数:0.69,全体精度:0.81)が得られた。 図4の黒い枠線内に関してAVNIR-2の結果と比較すると,竹林として認識された面 Landsat-8のデータを用いて,2013年以降の竹林の現状を把握することを試みた4)。季節変化の違いから竹林を抽出するため,3時期(2013年8月14日,2015年1月24日,2016年5月18 日)の画像を用いて,植生域を草地,水田,落葉樹林など冬期に正規化植生指数 (NDVI)が下がるものと,下がらない針葉樹林,常緑広葉樹林,竹林,茶畑に区別した。さらに下がらない植生の中から4~5月の時期でNDVIが下がるものを竹林とした。この時期に竹は古い葉から新しい葉に切り替わるため変色する。

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