日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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22図1 Landsat/ETM+から作成した新潟県全域の土地被覆分類図.白く抜けている部分は雲でマスクした箇所ならびにシーン外の箇所. を目的に,Landsat/ETM+データから得られた土地被覆データからSIを算出することを試みました4)。 れているため,広大な農地が一面を埋め尽くす状況は,北海道を除くとそれほど多くはLandsat/ETM+データから作成した新潟県全域の土地被覆分類図を図1に示します。この分類図に対し,SI値の分布状況を示したのが図2です。SI値の存在する場所の特徴として,農地と森林の境界部分が挙げられます.傾斜地と平野が接する場所や谷が存在する場所などはその典型といえます。線状にSI値が存在する箇所も確認できました。これは信濃川や阿賀野川など主要河川が位置する場所と合致しました。河川が水域として分類され,隣接する農地との関係で,SI値を有する空間として表されました。海岸沿いにもSI値の存在する箇所が確認されましたが,これは海岸林と畑地,裸地が隣接する箇所でした。 SIは全球規模での農業景観の評価という文脈で提唱されました。全球規模では,アメリカやオーストラリアなどに存在する広大な農地が一面にひろがるモノカルチャー的な空間をSIの低い空間として想定しており,そうした農業景観では生物多様性を期待することは難しいです。それと比較すると日本の平均圃場サイズは小さく,平野も限ら

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