日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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23図2 Satoyama Indexを用いた新潟県内の農業景観モザイク度の評価.図中のヒストグラムの色は凡例を兼ねている.なお,農地(水田,畑地)が存在しないためにSI=0となっている空間にはSIのピクセルが存在していない. ありません。そうした中,今回対象とした新潟平野は日本でも有数の平野であり,水田が連続する特徴的な農業景観を有しています。いわゆる緑豊かな環境ではありますが,圃場整備の進展,コンクリート水路の整備により以前は存在していた湿性植生,水生昆虫などの減少が危惧されています。広域にひろがる平野の生物多様性の向上には様々なスケールからのアプローチが重要であることは間違いありませんが,農地以外の土地利用/土地被覆との空間的配置の問題を考慮することも,今後の生物多様性地域戦略の策定を考えた際に非常に重要になってきます。実際,SI値の高い地域は,里地里山に生育・生息する多くの種にとって潜在的な生息適地であることも示されています5)。ここで示したようなSIマップをエコロジカルネットワークの創出などに活用できる可能性があると考えています。 ■ 参考文献 1. F. Hendrickx et al.: How landscape structure, land‐use intensity and habitat diversity affect components of total arthropod diversity in agricultural landscapes. Journal of Applied Ecology, 44(2), pp.340-351, 2007.

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