日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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27図4 リモートセンシング画像に写った雪の上のシカの足跡の自動抽出結果(赤い点) 図5 時間差のあるリモートセンシング画像から移動中の動物を抽出(移動中の牛) 一方で,リモートセンシング画像を全て目視判読するには膨大な時間がかかります.また,我々が普段目にするような横から見た景色とは異なるので,画像に写っているものが何であるかを日常と同じように認識するのが困難です(図3).さらに観測位置によって,同じものであっても画像ごとに見え方が異なります.そのため,リモートセンシング画像から必要な情報を自動抽出する手法が不可欠です.ここでは,動物リモートセンシングの研究事例をいくつか紹介します. 動物リモートセンシングについても,リモートセンシング画像を用いて,足跡や採食による植生の変化など野生動物の痕跡を検出する手法と,直接対象個体を検出する手法に分けることができます.痕跡を検出する手法には,衛星画像からウォンバットのコロニーを抽出した事例1),衛星画像からペンギンの糞を抽出することでコロニーの数をカウントした事例2),雪の上の野生動物の足跡を抽出して個体数密度推定を行った事例3)などがあります(図4).直接対象個体を検出する手法については,時間差のあるリモー

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