日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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GoogleEarth へGoogleEarthへラハイナマウイ島37山火事の延焼で灰と化したラハイナ市街地(2023-08-11)近年、全球の多くの地帯で山火事が多発している。2023年夏の現時点もカナダでは1000か所以上の森林や草原で火災が続いている。この8月8日にはハワイアンリゾートとしても知られるマウイ島の古都ラハイナが山火事で瞬く間に焼失し、多くの犠牲者が出た。本書でも焼畑移動耕作に伴う森林の伐採/火入れ、アマゾンの違法伐採など森林資源にかかわる問題は多いが、森林火災は面的な規模からして莫大な森林資源の損失とCO2の放出になる。世界的には自然発火が直接の原因であることが多いが、森林や草原の乾燥が素因であり、その背景には地球規模の環境変化による高温乾燥があると考えられる。また、ハワイの火災では土地利用の変化と侵略的外来植物の拡大が火災が発生しやすく広がりやすい状況を作り出しているともされ、生態系問題でもある。山火事の広域的な監視には人工衛星が威力を発揮する。NASAはFIRMSという全球の火災モニタリングシステムを公開している。図(上)は同システムにより表示した今月のある1日(2023-08-10)の全球の森林火災発生のマップであり、図(下)は同システムによる同日のマウイ島の火災マップである。撮影場所:米国・ハワイ州ラハイナ[ 20°54' 2.09" N / 156°40' 8.88" W ]撮影時期:2023-08-10撮影衛星:NASA-FIRMS (Landsat/ Suomi-NPP / NOAA-20/ MODIS)2023-08-11SPOT/GoogleEarth【井上吉雄】10 km全球で頻発する森林・原野火災

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