日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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GoogleEarth へGoogleEarthへ38インドネシアのカリマンタンやスマトラには熱帯泥炭地が広く分布している。泥炭地は低温や高水分のために土壌微生物による植物遺体の分解が進まず長年にわたって堆積することで形成され、大量の炭素が蓄積されている。熱帯林の伐採やプランテーションの開発によって、泥炭の排水・乾燥が進むと非常に燃えやすい状態になり、いったん発火すると消化が困難で長期間地中で燃え続ける。森林の伐採と土地利用の変化、泥炭地火災、森林火災の悪循環が煙害、CO2の放出という環境汚染と資源の消失を加速する。また、希少な野生生物の生息環境への影響も懸念されている。解説記事p.48(粟屋)、p.120(橋本ら)を参照。アマゾンの森林破壊については、解説記事p.51(吉川)、p.60(渡邉)を参照。【井上吉雄】撮影場所:インドネシア・カリマンタン[ 2°43' 22.02" S / 114°22' 0.40" E ]撮影時期:2019-9-13撮影衛星:Sentinel-2左:ボルネオ島南部左下:自然色表示右下:近赤外、赤、緑の波長をRGBに割付けて表示した画像。植生が豊富な場所ほど赤色が濃く見える。50 km泥炭地の火災-インドネシア・カリマンタン

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