日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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46図1 カンボジアの森林の季節変化 MODIS-NDVI 画像(左):雨季(10-12月)から乾季(1-3月)にかけて,常緑林ではNDVIが変化せず緑のままであるが,落葉林では落葉するにつれてNDVIが低下し,黄色から茶色へ変化する。 MODIS画像の範囲 (右):背景は地球地図サイト 2)からダウンロードした標高画像 林」へと大きく変わる変化であるため時系列の衛星画像を用いることにより比較的容易に把握することができる。 一方,「森林劣化」は,森林面積は変化しないものの,有用な樹木のみを選んで伐採する択伐などによって森林内部ではバイオマス量や種構成が変化している。インドシナ半島の常緑林では,原生林か,それに近い状態であればヘクタール当り300から400トンの地上部バイオマスが存在する。択伐では大径木が選択的に伐採されるが,例えば直径1mの樹木のバイオマスはおよそ14トンであるので,択伐を考慮しない場合は,炭素循環の計算には大きな誤差が生じることになる。また択伐は商品価値の高い樹木が選図2 カンボジアにおける森林被覆率の経年変化 出典:Cambodia Forest Cover 2016 3) 4) 注:2006年以降の森林面積変化については,REDD+のためのリファレンスレベルをUNFCCC(気候変動枠組み条約)事務局へ報告するため,JICA, UN-REDD, 森林総合研究所などの協力により森林分布図の検証が実施されている。

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