日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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55Fig. 1 集落A・Bまでのアクセス方法とその様子(著者撮影) 家ならば不法に占拠したとしても占有権や時効取得等が可能となると憲法に規定されていることから,自発的な土地占有による農地獲得運動を促す結果となっている。 政府は,他者の土地へ農地開拓を目的に侵入・占拠し定住を行っている人々と土地所有者との和解プロジェクトを失業者と都市の人口を減らす目的5)(Sparovek, 2003)で推し進めている。1995年~2011年の記録されているだけで,120万家族およそ8900集落の和解プロジェクトが進んでいる6)(Schneider and Peres, 2015)。これらの集落では犯罪者なども多く危険であるため調査が難しいということもありこれらの集落でどのように農地開発が進んでいるのかはほとんど明らかとなっていないため,こういった小農による森林開発がアマゾン全体の森林破壊にどの程度寄与しているかは不明の状態である。そこで,その足がかりとして,現地観測が可能なとある集落を対象に土地利用の変化がどのように行われてきたのかをリモートセンシング技術を駆使して定量化することを試みている。 2. 土地なし農民とは ブラジルの土地なし農民運動というとラテンアメリカ最大規模の社会運動である土地なし農村労働運動(MST)が一般的によく知られている。そのためMSTによる活動と思われがちであるが,実際にはそれ以外のプロセスや組織など多数存在している。い

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