日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
65/222

59のと言える。集落Bでは,居住地・農地が極端に減少し,森林地が増加している。これは,近年急激に無人化がすすみ,農業生産活動が衰退していることから,森林が回復しつつあることが要因と考えられる。集落A集落Bともに,居住地や道路,農地などの生産活動に占有地のおよそ50%を使用しており,残りの50%を森林として残こすことを維持していることも分かった。また生産活動をしている場所のおよそ20%が農地で占められていることも分かってきた。 土地なし農民による森林開発がどのように行われているのか,本手法にてその一部を明らかにすることができた。今後は,アマゾン全域へ本手法を広げ,土地なし農民による森林及び農地開発の全容を把握することに努めたい。 ■ 参考文献 1. World Wide Fund for Nature (WWF):The Growth of Soy: Impacts and Solutions. WWF 地利用変化, 日本リモートセンシング学会第67回学術講演会, 2019. International, Gland, Switzerland 2014. 2. Pokhrel, Y. N., Fan, Y., & Miguez-Macho, G.:Potential hydrologic changes in the Amazon by the end of the 21st century and the groundwater buffer. Environmental Research Letters, 9(8), 084004, 2014. 3. Yoshikawa, S. and Sanga-Ngoie, K.:Deforestation Dynamics in Mato Grosso in the Southern Brazilian Amazon using GIS and NOAA/AVHRR data, International Journal of Remote Sensing, Vol. 32, No.2, 523-544, 2011. 4. 吉川沙耶花, サンガ ンゴイ カザディ:ブラジル・マットグロッソ州における森林破壊と農牧場地拡大化, 日本リモートセンシング学会論文集特集号, Vol. 31, No. 1, 27-35, 2011. 5. Sparovek G.:A Qualidade dos Assentamentos da Reforma Agrária Brasileira. 1st ed. São Paulo: Páginas e Letras, 2003. 6. Schneider and Peres, 2015 Schneider M., Peres C.A.:Environmental Costs of Government-Sponsored Agrarian Settlements in Brazilian Amazonia. PLoS ONE 10(8): e0134016, 2015 7. 矢谷 通朗:ブラジル連邦共和国憲法 : 1988年,アジア経済研究所,千葉,1991. 8. 石丸香苗:土地への闘い 社会的再生手段としての土地なし農民運動, 抵抗と創造の森アマゾン 持続的な開発と民衆の運動, 小池洋一, 田村梨花(編), 6章, 189-212, 2017. 9. Ishimaru K., Kobayashi S., Yoshikawa S.:Impact of agricultural production on the livelihood of landless peasants settled in the lower Amazon, Tropics, Vol 23, No 2, 63-71, 2014. 10. 吉川沙耶花・石丸香苗:アマゾン川河口における土地なし農民による違法占拠地の土

元のページ  ../index.html#65

このブックを見る