日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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図4 図3の現地の様子。違法伐採が行われていた。 電波が弱くなるため、特にHV偏波画像は顕著に暗くなる(図2)。 図3はブラジルの“雨季”に伐採が起こったケースである。筆者らはJJ-FAST検証調査の一環として、伐採取り締まりを行っているブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)の方に同行してもらい、PALSAR-2観測の6~16日後に、現地に急行した。12か所で現地調査を行ったが、2か所で違法伐採が行われている最中であり、図3のケースでは3人の違法伐採者と2台のブルドーザが現行犯で検挙された(図4)。PALSAR-2が森林伐採拡大を止めた初めての例となる。見つかった瞬間、「どうしてIBAMAがここに?」と呆然と立ちすくんでいる違法伐採者の姿が印象的だった。後日談としてIBAMAから連絡があり、その後の検証の結果、4件(総面積2600ha)の違法伐採が認定された。伐採者らには1370万レアル(日本円にして4億円程度)の罰金が科されたとの事6)。今後のJJ-FASTに期待である。 ■ 参考文献 1. 石弘之, 世界の森林破壊を追う, 朝日選書, 2003 2. GLAD, https://glad.umd.edu/, accessed July 11, 2018 3. JJFAST, http://www.eorc.jaxa.jp/jjfast/jj_index.html, accessed July 11, 2018 63

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