日本リモートセンシング学会・問題生態系計測研究会
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75発がほとんどであるが、中・大規模土地所有者よりも森林伐採率が高い傾向にある。今のところの結果としては、マットグロッソ州の森林から小規模牧草地へ、またパラ州の森林から大規模及び小規模牧草地の両方へ①労働者党前期・後期及び②テメル期と比較して③ボルソナーロ政権期で大きく変換されていることが分かった。加えて、マットグロッソ州及びパラ州の牧草地から小規模大豆耕作地への変換が、①労働者党前期・後期及び②テメル期と比較して③ボルソナーロ政権期で急激に拡大していることも分かってきた。森林開発と政治の関係は、政治信条や世論などの主観的な情報が多く、科学的根拠に基づく解析はほとんどされていない実情がある。今回、衛星データのような客観的データによる解析と政治動向を重ねることで、何がどこでどのように土地利用開発を駆動しているのかの一端が見えてきているように思う。これらは、JSPS科研費基盤研究B「アマゾンの森を脆弱化させたのは誰か―ブラジル環境・開発政策の影響の科学的検証」より助成を受け進められている研究である。

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